特徴

当院の血液浄化センターでは、主として慢性腎不全に対する血液透析を行っていますが、急性腎不全に対する急性血液浄化療法、膠原病・自己免疫疾患や薬物中毒に対する血漿交換、炎症性腸疾患に対する白血球除去療法など多岐にわたる治療を提供しています。医師、看護師、臨床工学技士といったスタッフが一丸となってチームを作り、多職種で患者さんに対するきめ細やかな管理を行っています。

<血液透析とは>

腎不全が最終段階まで悪化(=末期腎不全)すると、本来であれば尿の中に排泄する毒素や不要な水分が体に貯まり、食欲不振、むくみ、呼吸不全といった尿毒症と呼ばれる症状が出現してきます。これが進行すると最終的には致命的になるため、腎代替療法(透析や腎移植)が必要になります。日本国内では腎代替療法として圧倒的に血液透析が多く、週3回、1回4時間かけて透析器で血液を浄化する(不要な水分や老廃物を取り除く)ことを行います。透析患者さんは様々な合併症を来すリスクが高く、合併症を防いで元気で長生きするためには、透析だけを行っていれば良いわけではなく、食事療法、運動療法、水分制限といった生活の見直し、薬物療法を継続していく必要があります。また入念なシャント(透析で針を刺して血液を採ってくる血管)管理や定期的な合併症検索・治療などを行っていくことも重要です。当院でも血液透析の維持管理(維持透析)を行っており、総合病院として充実した検査設備や入院体制を備えているとともに、多数の診療科と専門医を抱えているため、透析患者さんの様々な病態・合併症に迅速に対応できるメリットがあります。

<急性血液浄化療法とは>

敗血症(重症の感染症)や心不全、急性膵炎、大手術後など様々な重症病態により、急速に腎機能が悪化して(=急性腎不全)尿が出なくなった際にも、血液透析を要する場合があります。このような時には血圧が低くて通常の透析が難しかったり、血液中の炎症性物質を取り除いたりするために、24時間持続で透析を行う方法(持続的血液濾過透析; CHDF)を用いることがあります。通常首や足の付け根の静脈に透析用カテーテルを挿入し、そこから血液を抜いてきて透析を行います。

<血漿交換とは>

自分の体を攻撃してしまう自己抗体や血液腫瘍により過剰に作られた抗体、薬物、肝不全に伴う毒素など、血液の中に含まれる病因物質を除去する治療です。対象疾患ごとに、血漿交換の方法や可能な回数、期間などが決まっています。血液から血球を除去して残りの成分全てを交換する単純血漿交換と、更にそこから病因物質を選択的に除去する二重膜濾過血漿交換があります。

 

 

 

 

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