外来担当医表
診療科 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
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特徴
当科は2名の常勤医と、週2回三重大学耳鼻咽喉科から来てくれる非常勤医で構成されています。非常勤医は外来診療のみの対応となります。 診療の対象となる疾患は耳鼻咽喉科領域全般の、耳、鼻、咽喉頭の異常、甲状腺、唾液腺、頸部リンパ節、頸部嚢胞等の頸部腫瘤や炎症、いびきや睡眠時無呼吸症候群、めまい、顔面神経麻痺、嚥下障害などです。
- 外来に再来患者さんの予約制を導入し、診察待ち時間の短縮に努めています。
- 病院でないと行うことが困難な業務(手術や機械を必要とする検査、危険を伴う検査や処置など)を維持していくために初診の患者さんは原則紹介状をお持ちの方に限定させていただいています。
- 常勤医師が2名と少数のため時間と人手を要する大規模な手術は行えないため、1人または2人までで実施できる範囲の手術(炎症性疾患、良性腫瘍、低悪性度悪性腫瘍等)を行っています。手術件数としては扁桃手術(口蓋扁桃摘出術、アデノイド切除術等)、副鼻腔炎や鼻中隔彎曲症、アレルギー性鼻炎に対する内視鏡手術が多くを占めています。尚、アレルギー性鼻炎に対する鼻粘膜焼灼術(レーザー手術等)は現在機械がないため行っていません。いびきや睡眠時無呼吸症候群(扁桃肥大が原因の場合を除く)に対しての手術も当科では行っていません。
- 特殊外来として、嚥下内視鏡外来を行っています。看護師による嚥下外来と協力しつつ、嚥下診療を行っています。
- 睡眠時無呼吸症候群に対する検査を行っています。まずは簡易ポリグラフ検査を行いますが、この検査は小さい機械を貸し出しして在宅で行ってもらうものになります。簡易ポリグラフで更に精査が必要と考えられる場合は入院していただいてポリソムノグラフを行うことになりますが、当院では循環器内科が窓口になっておりますのでそちらに紹介します。
- アレルギー性鼻炎に対する免疫療法は行っていません。
代表的な疾患・治療
対応疾患
先天性耳瘻孔:感染した場合は薬剤治療で炎症を鎮めた後、手術を行います
鼻中隔彎曲症、慢性副鼻腔炎難治例等:薬剤による治療で効果が無い場合は内視鏡手術を行います
唾液腺腫瘍:穿刺吸引細胞診を行い、どういう種類のものか判断した後に、必要と考えられる場合は手術を行います
甲状腺良性腫瘍:腫瘍サイズが大きければ手術を検討します(嚢胞の場合は経皮的アルコール注入療法を実施することもあります)
甲状腺悪性腫瘍:穿刺吸引細胞診にて悪性と診断され、諸検査で初期と判断された場合は当科で手術を行います(進行例は他施設へ紹介します)
疾患別治療案内
副鼻腔とは鼻の穴から連続して顔面の中に広がっている空洞のことです。ここに慢性的に炎症が続くものが慢性副鼻腔炎になりますが、 かつて(といっても昭和年代以前ですが)は、いわゆる「蓄膿症」と呼ばれる状態が主流でした。蓄膿症はその字の通り副鼻腔の中に液体状の膿がたまっている状態で、特に目と歯茎の間の頬の中にある上顎洞という空洞を中心に生じました。ところが平成、令和と時代が進むとともにアレルギー的な炎症を背景にした慢性副鼻腔炎の割合が増え、その中でも特に難治性であるタイプに好酸球性副鼻腔炎という病気の概念が確立し2015年には難病指定されることとなりました。特徴は、①両側鼻内に鼻茸と呼ばれる炎症性ポリープが多発し、手術するだけでは容易に再発すること ②嗅覚障害を生じやすいこと ③鼻汁は非常に粘りが強く、「膠状」と呼ばれる性状であること ③喘息を合併することが多いこと ④薬剤アレルギー(特に鎮痛剤)の合併が多いこと ④病変の主体が頬の中ではなく、目の内側やおでこの中(篩骨洞や前頭洞)であること などが挙げられます。
原因
リンパ球等が放出する物質が病気を生じることがわかっていますが、その根本的な原因は不明です。
検査・診断
診断のための検査としてCT、血液検査、ファイバースコピー、鼻茸の組織検査(採取した組織を顕微鏡で観察すること)があり、これらの結果が診断基準をみたした場合に確定診断となります。
治療
この病気を根本的に消失させる方法はまだありませんが、副鼻腔の換気と排泄機能を改善させるための内視鏡手術とステロイド剤の投与が行われます。術後に再発した場合や手術不可能な場合には、高価ではありますが有効な特殊な注射薬も存在します。この疾患は生命に関わるものではないためどこまでの治療をするかは患者さんとの相談になりますが、鼻の状態が改善すると一定の割合で喘息も改善することも知られているため喘息の改善のために鼻の手術を行う場合もあります。 当科で手術を行う場合、全例全身麻酔下に行っています。一般的には手術前日(1日目)に入院、2日目に手術、5日目頃に退院というスケジュールになります。
医師紹介
鈴鹿亀山地区の耳鼻咽喉科は開業医、勤務医ともに人数が少ないのが現状です。我々の役割は「開業医ではできないこと」を行っていくことですが、一方で開業医の先生のお力をお借りしないと上手く回っていかないのも実情です。開業医の先生方と協力しつつ患者さんに可能な限り満足のいく医療を提供して参りたいと考えておりますので、宜しくお願いいたします。 |
経歴
三重大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科全般 専門医など日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医 補聴器相談医 |
地域医療に貢献できるよう精進していきます。よろしくお願いいたします。 |
経歴
東海大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科全般 専門医など
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診療実績
年間実施件数
2024年度 代表的な手術の症例数(人数)
扁桃手術 50人
鼻の内視鏡手術 29人
甲状腺腫瘍手術 11人
唾液腺腫瘍手術 9人