外来担当医表
診療科 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
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特徴
当科は、平成27年4月に開設されました。現在、常勤呼吸器専門医2人体制と少数ではありますが、三重大学などから呼吸器専門医の外来応援を受けつつ、呼吸器外科と連携し、呼吸器センターとして呼吸器疾患を総合的に診療しています。 当センターの特徴は、呼吸器外科と同じブースで外来診療を行い、同じ病棟で診療をしています。最近の肺癌治療においては、内科と外科がコラボレーションして治療する機会が増えており、内科・外科の垣根なく治療が可能です。 呼吸器疾患は、肺癌以外に慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、間質性肺炎、呼吸器感染症など多岐にわたります。病気は治癒することが理想的ですが、呼吸器疾患は病気とのお付き合いが止むを得ないことも多いです。日常生活が少しでも安定するよう患者さんと一緒に病気と向き合い、十分な情報提供を行いながら、最善の治療を提供できるように努めたいと考えております。
代表的な疾患・治療
対応疾患
- 肺癌
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
- 気管支喘息
- 間質性肺炎、その他びまん性肺疾患
- 肺炎、肺結核、肺非結核性抗酸菌症、肺真菌症
- 急性および慢性呼吸不全
- 慢性咳嗽
- 胸水貯留
実施可能検査
肺機能検査、呼気NO(一酸化窒素)測定、6分間歩行試験、CT、MRI、肺シンチグラム、気管支内視鏡検査、超音波気管支鏡検査、CTガイド下生検、胸水検査
実施可能施術
がんの薬物療法、在宅酸素療法、人工呼吸管理(非侵襲的陽圧人工呼吸を含む)、胸水ドレナージ術
疾患別治療案内
気管支鏡検査やCTガイド下肺生検にて早急に確定診断を行い、手術可能な場合は呼吸器外科と連携して速やかに外科手術を行います。手術適応がない場合、当科にて薬物療法を中心とした治療を行います。この20年間で肺癌の薬物療法は飛躍的に進歩し、遺伝子変異陽性例に対する分子標的治療薬や、免疫チェックポイント阻害薬の登場で、進行肺癌であっても5年以上の生存が得られることも増えてきました。患者さんに治療希望があり、化学療法に耐え得ると判断した場合、患者さんおよび御家族と十分に相談したうえで延命を目指して化学療法を行います。また放射線治療科と連携し、放射線治療も積極的に併用しています。さらに緩和ケア病棟の開設により入院での緩和ケアも可能となりました。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、タバコによって起こる代表的な疾患で、かつて肺気腫と呼ばれていた「タバコ病」です。高齢者のみならず、40歳代の若い方でも起こり、禁煙は早い段階で始めるのが重要です。老化とともに進行し、残念ながら完治できる治療法はありませんが、吸入薬を中心とした多くの薬剤を用いることで症状を改善したり、病気の進行を遅らせたりすることができます。COPDが進行し、身体活動性が低下した患者さんに対しては、在宅酸素療法の導入や呼吸リハビリを積極的に行い、自宅での生活が継続できるよう治療の工夫を行っています。また、肺炎併発リスクが高く、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンによる感染予防を推奨しています。
“咳がなかなか止まらない”と受診される患者さんの中には、気管支喘息や喘息の親戚のような咳喘息の方がおられます。当科では、十分な問診、呼気NO(一酸化窒素)測定、呼吸機能検査を行うことで病態を把握し、診断、治療を行います。喘息の治療は、気道の炎症を抑える吸入ステロイド薬が主体となりますが、吸入ステロイド薬と長時間作用型気管支拡張薬の配合薬を用いて喘息の管理を行っています。吸入薬を使っていてもしばしば発作を起こすような難治性喘息患者さんに対しては、生物学的製剤の注射を行います。一方、喘息増悪による呼吸不全に対しては、入院のうえ人工呼吸管理を含む集中治療を行っています。
間質性肺疾患とは、肺胞の壁(間質)に慢性的に炎症を起こし、線維が沈着し厚く硬くなり、肺が膨らみにくくなる疾患です。間質性肺疾患のカテゴリーには、特発性間質性肺炎、膠原病関連間質性肺炎、過敏性肺炎、肺胞蛋白症、塵肺症、サルコイドーシス、薬剤性肺障害など多くの疾患が含まれます。当科では、正確な診断のもとステロイド剤、免疫抑制剤による免疫抑制治療や進行性の肺線維症に対しては抗線維化薬による治療を行っています。特に原因不詳で進行性に悪化する特発性間質性肺炎は、国の定める特定疾患の一つで、経時的に肺の線維化が進行し極めて予後不良です。現時点で肺移植を除き、根本的な解決を図ることはできませんが、肺の線維化を抑制する抗線維化薬の導入や呼吸不全の進行に対しては在宅酸素療法を行っています。
気道は外界と交通する臓器であり、呼吸を介して様々な病原微生物が気道内に流入します。高齢や様々な要因で防御機能が低下すると肺炎・気管支炎を発症します。当科では、喀痰検査や気管支鏡検査を用いて病原菌検索を行い、学会ガイドラインに基づいた肺炎の重症度評価を行ったうえで治療を行っています。次に肺結核ですが、発症数は先進国の中でも高く、結核を過去の病気と言い切ってしまうことはできません。特に高齢者における発症例や海外から日本へ結核が持ち込まれるケースも増えており、早期発見に努めています。当院には結核病棟がありませんので、排菌性結核の場合、他病院を紹介させていただきます。近年、肺非結核性抗酸菌症が急増しています。土壌や水回りなど一般環境に存在し、一旦感染が成立すると駆逐するのが困難です。治療は、通常複数の抗菌薬を長期間使用していただきますが、患者さんの背景、画像所見、お体の具合を総合的に判断し治療方針を決定しています。
医師紹介
三重県の呼吸器診療の向上に努めます。 |
経歴
愛知医科大学 呼吸器内科 専門医など日本内科学会 総合内科専門医 |
より良い医療を目指して日々精進致します。 |
経歴
三重大学 呼吸器内科 専門医など日本呼吸器学会 呼吸器専門医 |
診療実績
年間実績