Emergency Center救急センター

松阪中央総合病院 救急センター
院長補佐(救急科) 星野 有

救急センターでは救急科医師が、救急搬送される急性期脳卒中や急性心筋梗塞、重症外傷などの重症患者の初期治療を行う診療科です。全ての救急患者に対応し、適切な診療科と連係を図り、迅速かつ安全に専門治療につなげています。 また、当センターは災害拠点病院として、大規模災害や多数傷病者が発生した事故などの現場で、急性期から活動できる専門的な訓練を受けた医療チーム“DMAT”の統括を行っており、多くの患者を受け入れる中心的な役割を担っています。 これからも当センターでは、医療チーム“DMAT”を含め、病院の枠を超えたドクター・カーの活動や、救急医療に役立つ人材育成をすると共に、地域の医療機関や消防署との連携を深め、医学的エビデンスに基づく救急診療の実践を行う体制強化に努めて参ります。

ドクターカー

当院では、救急現場に直接出動する『ドクターカー』の運用を行っております。
松阪地区広域消防組合との連携により、消防機関からの要請で、救急現場に当院の救急センター医療チーム(医師、看護師、救命士)が出動し、初期治療を行います。
それにより、患者さんが病院に到着する前に、医療行為を受けることができ、救命率向上や後遺症の軽減が期待されます。
ドクターカーの運用は、2022年8月から開始しており、徐々に件数を伸ばすと共に地域医療に貢献できるよう努めております。

出動時間・出動範囲

出動時間は平日9時00分から15時00分です。
出動範囲は、病院から半径10Km以内での活動を行っておりましたが、2023年7月1日より消防署と連携し、松阪地区広域消防組合管轄内全域に広げ、よりたくさんの方の救命に繋がる運用を行っております。

 

出動範囲

ドクターカー活動実績

出動要請を受けた患者割合は、内科系約70%、外科系約30%です。
主な疾患が、脳卒中疾患・循環器疾患・心肺停止などがあります。
現場での、緊急処置を行ったあと、消防署の救急者で患者さんを当院へ搬送するだけでなく、病院に搬送するだけでなく、患者さんの病態や希望により、他の医療機関へ搬送することもあります。

医療チームが出動することの重要性

救急医療は適切に初期治療を行うことが重要になります。そのひとつとして重要な要因が時間です。救急医療は時間との戦いであり、重症患者に対して、いかに迅速に初期治療を行うかで予後が大きく変わります。

私たち医療チームが、救急現場にいち早く出動することで、患者さんに適切な救命治療を行うことができます。常に重症患者さんが発生した救急現場に、速やかに出動できる体制を日々整えています。

ドクターカーの運用について

ドクターカーは、地域の皆さまからの要請は受け付けておらず、消防からの要請により、出動します。それにより、ドクターカーの出動要請は消防本部が行うため、迅速な要請が必要となります。
119番通報時点で、通信指令室にドクターカー要請の適否を判断してもらうために、キーワードを取り入れています。それにより適切な出動が可能となっています。

ドクターカー出動過程

 

覚知時の要請基準(キーワード)

  1. 外傷

    自動車事故

    車が横転

    車外放出

    車が大破

    車内に閉じ込められた

    体が挟まっている

    車の下敷き

    歩行者が跳ね飛ばされた

    自転車が跳ね飛ばされた

     

    オートバイ事故

    高速での転倒・激突

    運転者が飛ばされた

     

    事故種別

    列車事故

    バス事故

    航空機事故

    船舶事故

     

     

    労災事故

    重量物の下敷き

    機械に挟まれている

    生き埋め

    転落・墜落

    3m以上から落ちた

    崖・山間部での滑落

     

    その他

    落雷事故

    爆発事故

    酸欠事故

    刺された

    撃たれた

    溺れている

    高リスク受傷機転

     

     

  2. 外傷を含むすべての疾患の症状
  3. 神経系

    意識が無い

    意識が悪い

    突然倒れた

    呼びかけに反応しない

    急に手足が動かなくなった

    手足の麻痺

    呼吸・循環

    呼吸が弱い

    呼吸をしていない

    呼吸困難

    息が苦しい

    しゃくりあげるような呼吸

    脈が触れない

    胸痛または背部痛

    40歳以上

    冷や汗をかいている

    脈が弱い(ショック)

    その他

    65歳以下のCPA

    痙攣している

    窒息している

    多量に薬・農薬等を飲んだ

    大量に出血している

    大量に煙を吸った

  4. 救急隊到着後の現場要請基準(10km圏外の場合)

    外傷

    初期評価(バイタル)異常

    全身観察での異常

    大量の外出血を伴う

    出血が続いている

    気道熱傷

     

    外傷以外

    意識障害JCSⅢ桁

    呼吸困難(呼吸不全)

    ショック(血圧低下)

    激しい頭痛+血圧が180mmHg以上

    痙攣重積

    手足の麻痺

    構語障害

    アナフィラキシーショック

    胸痛または背部痛+ショック・冷汗

     

    心肺機能停止

    目撃あり

    バイスタンダーあり

    初期心電図心室細動

    初期心電図心室頻拍

    初期心電図PEA

    心拍再開症例

ドッキングについて

患者さんの状態によっては、救急車内だけではなく、患者さんのご自宅や、施設内、屋外で救急治療を行う場合があります。できる限り早い治療を行うために病院に向かう途中、救急車とドクターカーが落ち合うことがあります。
それを『ドッキング』と呼び、救急車とドクターカーが、安全にドッキングするために、指定した場所でドッキングを行います。
地域の皆様には、ご迷惑をおかけする場合がございますが、ご協力の程お願い申し上げます。

患者さん・ご家族の方へ

ドクターカーは、患者さんやご家族の方からの出動要請はできず、119番通報を受けて、松阪消防通信指令室が出動を判断します。
ドクターカーが出動し、患者さんを診療・搬送した場合は、搬送費用はかかりませんが、診療に関連した費用(救急搬送診療料など)については、患者さんのご負担となります。

ご利用される方

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