診療実績

外科

対応疾患

 成人例全消化管(食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、直腸、肛門)の良悪性疾患全域、肝胆膵領域の良悪性疾患全域、乳腺疾患、ヘルニア、一部の皮膚疾患、外傷など

*胸腔鏡の適応となるような食道病変や肛門機能を温存するような超低位直腸病変は三重大学消化管外科などへ、過大侵襲を伴う手術や肝移植を必要とする肝胆膵病変は三重大学肝胆膵外科などへ、整容性を重視した治療を要する乳腺疾患は三重大学乳腺外科などへ、また6歳以下の小児(鼠経ヘルニアと外傷は除く)は三重病院などへ、それぞれ連携を密にとって紹介しています。
*セカンド・オピニオン目的の他施設への紹介も随時可能です。逆に、当院外科へのセカンド・オピニオン外来受診も適宜受け付けています(毎週木曜日午後に十分な時間を設けますので外科外来受付まで予約をお願いします)。

特徴

 以前よりモットーとしている”患者さんに対しての安全と満足感を最優先”を最も重要と考え実践しています。
 近年、外科治療はより安全で低侵襲性である術式に移行してきています。一般(腹部)外科領域でも、胆嚢結石症や消化管疾患を先駆けとして各領域ガイドラインに沿った適応を遵守しながらも、多くの症例で腹腔鏡下手術が選択されてきています。最近では先進施設においてはより難易度の高い肝膵領域にも同手術の適応が広がっており、さらにはロボット支援手術の保険適応疾患も増えてきている状況です。
 当科では”患者さんに対しての安全と満足感を最優先”をモットーに、現在の日本における標準的治療(手術)を確実、安全に遅滞なく遂行できることを最重要と考えています。腹腔鏡手術の確実、安全な施行を行うために、早くから3Dモニターや最近では4Kモニターなども導入し、技術的な研鑽も欠かさないような努力を続けています。ロボット支援手術に関しては現時点では導入に至っておりませんが、厚生連グループとして連携し中長期的計画を視野に入れています。
 もちろん、患者さんの年齢、状態や疾患の進行具合に応じて最適と考えられる方法を毎回検討しており、開腹アプローチの是非や手術時間(麻酔時間)による影響なども加味しつつ治療計画を立てています。

 また、手術のみに拘ることなく、インターベンション(血管内)治療や術前術後化学療法(抗がん剤治療)などのハイブリッド治療にも重点を置いています。積極的に他科とも連携して、シームレスで継続的な治療を提供できるよう心がけています。

外科入院に際して

当科への入院の目的の多くが”侵襲を伴う外科的手術”であることから、術後合併症を最小にし、最短の入院期間での確実、安全な治療終了を目指して様々な取り組みを行っています。
入院決定時には、当科では多くの疾患でPFM(Patient Flow Management)の流れで対応しています。PFMとは主に外来から入院にかけての一貫した患者さんに対する支援のことを指します。入院予定の患者さんについてあらゆる情報をあらかじめ把握し、遅滞なく治療に移れるよう専門の病院内セクションを設けています。
例えば他施設からの処方薬のチェックや休薬必要なものの指示、筋肉量が少ない(サルコペニア)高齢の方への四肢&呼吸リハビリテーションや栄養補給指導管理、逆に高度肥満患者さん(BMI:Body Mass Index>30%)にはマイクロダイエット食を用いた外来栄養指導、また喫煙者には手術リスクの十分な説明の上での禁煙指導約1か月後以降での手術など、これらの介入によって術後肺炎や創部感染、術後イレウスの発生が劇的に減少しています。
入院後も、外科医のみならず看護師、薬剤師、栄養科やリハビリテーションはじめ、多職種連携による総合的な治療の提供を行っています。

疾患別治療案内
  2020年 2021年 2022年
手術総数 652(223) 625(272) 641(274)
全身麻酔 459(223) 458(272) 480(274)
硬膜外・腰椎麻酔 80 57 70
局所麻酔 113 110 91
胃がん切除 38(10) 24(10) 38(16)
胃がん非切除 4 3 5
胃良性 3(2) 16(8) 12(9)
小腸・イレウス 27(3) 32(3) 25(3)
大腸がん切除 99(28) 74(40) 92(56)
大腸がん非切除 2 6 9(1)
大腸良性 13 16 22(1)
虫垂切除 55(53) 51(50) 41(40)
*肝切除 4 12 12
*膵頭十二指腸切除 9 6 5
肝がん切除 4 2 0
肝良性 2 1 0
胆道がん切除 6 9(1) 6
乳頭部がん切除 2 1 2
胆道良性(胆石症) 118(105) 126(121) 101(93)
膵がん切除 5 3 1
膵良性 5 4 4(1)
肝胆膵疾患非切除 1 2(2) 2
脾疾患 1(1) 1 0
ヘルニア(成人) 103(17) 109(36) 123(47)
ヘルニア(小児) 0 0 1
乳がん根治術 22 25 24
痔核・痔瘻 5 5 6
その他 137(2) 115(1) 127(7)
()は鏡視下手術症例数、*肝胆膵領域疾患総数

 

 

 

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