診療科・医師紹介
外科
診療科について
- 田端院長がBest Doctors in Japanに選出されました(2022年7月14日登録)
- 「診療実績」を更新しました(2022年1月31日)
- 当院が「日本乳癌学会 認定施設」に認定されました(2020年1月10日登録)
- 当院が「腹部救急認定医・教育医制度認定施設」に認定されました(2020年1月9日登録)
- 当院が日本膵臓学会の指導施設に認定されました。(2019年2月1日登録)
- 岩田 真 外科部長が日本乳癌学会の乳腺専門医に認定されました(2019年1月7日登録)
新着情報
診療内容と特徴
2021年9月1日更新※実際の手術の画像を含んでおりますので、閲覧される際にはご注意ください
消化器外科(消化管外科、肝胆膵外科)、乳腺外科、一般外科を担当しています。具体的には、消化器のがん(食道がん、胃がん、大腸がんや、肝臓がん、膵臓がん、胆道がんなど)、消化器の良性疾患(胆のう結石、虫垂炎、痔核など)、乳がん、鼡径ヘルニア(いわゆる脱腸)、甲状腺疾患、さらに体表の出来物など、多くの病気を治療しています。もちろん、交通事故などの外傷や消化管穿孔、腸閉塞などの救急疾患にも対応しています。
当院は厚生労働省の認定を受けた「地域がん診療連携拠点病院」です。地域がん診療連携拠点病院とは、「質の高いがん医療の全国的な均てんの為、2次医療圏を基本にその地域全体におけるがん医療水準の向上を目指して」設けられたもので、三重県では4病院が指定されていますが、松阪•東紀州地区では当院のみであり、この地域の拠点として、特にがんの治療に力を入れています。
以下に当科の特徴をご紹介します。
●消化器疾患(胃がん、大腸がん、胆石、虫垂炎、ヘルニア)には体にやさしい腹腔鏡下手術を積極的に行っています
●胆道がん・膵がんの高難度手術を行っています
●乳がんでは乳房温存手術、センチネルリンパ節生検を行っています
●がんには集学的治療を積極的に行っています
外科疾患でお困りのことがあれば、お気軽にご連絡下さい。
連絡先:masami.tabata@miekosei.or.jp
消化器疾患(胃がん、大腸がん、胆石、虫垂炎、ヘルニア)には体に やさしい腹腔鏡下手術を積極的に行っています
腹腔鏡下手術では、まず、おなかを5〜10mm切って、腹腔鏡という細長いカメラを入れて、おなかの中の様子をテレビモニターに写します。その様子を見ながら、さらに5〜10mmの穴を3〜4カ所開け、そこから細長い鉗子(臓器をつかんだり牽引したりする道具)や細長いはさみを入れて、手術を行います(写真1)。

写真1 腹腔鏡下横行結腸切除の様子
消化器疾患では、我が国では1990年に、胆のう結石に対して初めて腹腔鏡下手術が行われました。これまでのおなかを20cmほど大きく開く(開腹)手術に比して、1)傷が小さく美容的に優れている、2)そのため術後の痛みが少ない、3)したがって回復も早く、早期に退院できる、といった長所があり、現在では、胆のう結石に対する標準手術として多くの施設で腹腔鏡下胆のう摘出術が行われています。直接臓器を手で触れる手術ではないので、炎症や癒着の強い症例では操作が困難で、どうしても開腹しないと難しいこともありますが、当科では胆のう結石の手術の90%以上は腹腔鏡下手術を行っています。
その後、胃がんや大腸がんに対しても腹腔鏡下手術が導入されました。胃がんや大腸がんなどのがんの手術では、胃や大腸の切除とともに、転移する可能性のある周囲のリンパ節の切除(リンパ節郭清と言います)が必要です。また、胃や大腸の周囲の臓器にがんが浸潤して、浸潤した臓器の切除も必要なこともあります。広い範囲のリンパ節郭清や、他の臓器を一緒に取るのは鉗子の操作に頼る腹腔鏡下手術ではどうしても難しいので、開腹手術を行っています。
当科では胃がんに対しては2009年10月に、大腸がんに対しては2009年12月に腹腔鏡下手術を導入しました。現在、胃がんでは早期がんを中心に30%前後、大腸がんでは60%前後の症例に腹腔鏡下手術を行っています。
急性虫垂炎(いわゆる盲腸です)は、右下腹部の大腸のはじまりの部分の棒状の突起の虫垂に細菌感染の起こる病気で、軽症以外では虫垂切除が必要になります。これまでは右下腹部を5cm程度開く開腹手術が行われてきました。しかし、こうした狭い傷では虫垂が見つからず、傷を拡げざるを得ない症例や、膿んだ虫垂を取り出す時に開いた傷に細菌が付いて、傷がなかなか直らない症例もありました。こうしたことから、腹腔鏡下手術が行われるようになり、当科でも2010年1月に腹腔鏡下手術を導入しました。5mmの傷が3カ所と傷も小さく、当然回復も早くなります。また、切除した虫垂をおなかの中で、袋に入れてから取り出すので、傷に細菌が付く心配もほとんどありません。最近では虫垂切除はほぼ全例腹腔鏡下手術を行っています。
がんは現在でも日本人の死因の中で第一位を占めていますが、このうち胆道がん(胆のうがん・胆管がん)、膵がんは治りにくい癌の代表です。がんと診断されてからの5年生存率は、乳がんや前立腺がんは90%台、胃がんや大腸がんは70%台ですが、胆道がん(胆のうがん・胆管がん)は27%、膵がんにいたってはわずか9%に過ぎません。
なぜ、胆道がんや膵がんはこんなに治りにくいのでしょうか? ひとつには早期発見が難しいことがあります。胃がんや大腸がんはバリウム検査や便潜血検査で、乳がんはエコーやマンモグラフィーで早期の段階で見つかることがありますが、胆道がんや膵がんは検診で発見することは難しく、黄疸や腹痛などの症状が出て進行がんの状態で発見されることがほとんどだからです。
もうひとつは手術が難しいことがあります。胆道がんや膵がんは門脈や肝動脈などの重要な血管に浸潤することが多く、肝臓や膵臓など出血しやすい臓器の切除とともに、こうした重要血管の再建(がんの浸潤部を取り除いて、血管をつなぎ直すこと)が必要で、手術には高度のテクニックを要するからです。
こうした手術をより安全・確実に行うエキスパートの認定および養成のため、2008年、日本肝胆膵外科学会では高度技能指導医および高度技能専門医制度を設けました。現在、三重県下でこれらいずれかが在籍するのは三重大学医学部附属病院と当院(田端:高度技能指導医)だけです。当院では一般には手術の難しい高度進行肝門部胆管がん (写真2)や高度進行膵がん(写真3)に対しても高難度手術を積極的に行っています。

写真2 肝門部胆管がん:左肝切除+膵頭十二指腸切除後

写真3 膵頭部がん:2本に分かれた部位での門脈再建
乳がんでは乳房温存手術、センチネルリンパ節生検を行っています
これまで、乳がんでは癌がん発生した側の乳房全部とその下の筋肉(大胸筋や小胸筋)を一緒に取る手術が行われてきました(乳房全摘術といいます)。当然、片方の胸はへこんで、また腕や肩の筋力低下や運動障害が起こります(写真4右胸)。ところが、1990年頃から、がんから少し離して乳房の一部だけ切除しても、術後に放射線を当てれば、乳房を全部取る手術と予後が変わらないことが分かってきました。これを乳房温存手術といいますが、ある程度変形はするものの、女性にとって大切な乳房が残るのが最大のメリットです(写真5)。がんが大きい場合(4cm以上)や、画像検査でがんが乳房全体に広がっている場合には乳房温存手術は難しく、また患者さんによっては術後放射線を当てるのが面倒で、乳房全摘術を希望される方もみえます。乳房全摘術も現在では、術後の腕や肩の障害を考慮して、大胸筋および小胸筋を残した手術(胸筋温存乳房全摘術といいます)を行っています(写真4 左胸)。乳房温存手術を行うかどうかは、医学的見地とともにこうした患者さんのご意向をうかがって決定しており、最近では乳がん手術の40〜50%に乳房温存手術を行っています。
なお、当院には日本乳癌学会 乳腺専門医である岩田が在籍しており、手術だけではなく、抗がん剤治療やホルモン療法も含め、質の高い乳がん診療を行っています。

写真4 右胸は乳房全摘+大•小胸筋切除(ハルステッド手術)後
左胸は胸筋温存乳房全摘後

写真5 左胸は乳房部分切除(乳房温存手術)後
乳がんに限らず、がんはリンパ節に転移するので、がんとともに周囲のリンパ節の切除(リンパ節郭清といいます)が必要です。乳がんではこれまで、わきの下のリンパ節をすべて切除する「腋窩リンパ節郭清」が行われてきました。しかし、腋窩リンパ節郭清を行うと、腕のむくみやしびれが起こり、乳がん手術後の苦痛の原因になっていました(写真4右腕)。ところが、2000年頃になってリンパ節転移に関して、センチネルリンパ節という考え方がでてきました。センチネルとは「見張り番」という意味ですが、がん細胞がリンパ節に転移する時、ばらばらに転移するのではなく、まずがんに近いこの「見張り番」のリンパ節に転移し、そこから遠方のリンパ節に転移するという考え方です。ですから、センチネルリンパ節に転移がなければ、そこから先のリンパ節には転移がないと判断できます。乳がんではこの考えの正しいことが立証されており、当科では、手術中に、まずこのセンチネルリンパ節を摘出し、転移の有無を検索しています(センチネルリンパ節生検といいます)。転移が無ければ、腋窩リンパ節郭清は省略し、転移のあった場合のみ、リンパ節郭清を行っています。
センチネルリンパ節ですが、特別な形や色をしているわけではなく、肉眼で見分けることはできません。したがって、生検を行うにあたっては、どのリンパ節がセンチネルリンパ節かを特定する必要があります。これには、術前に微量の放射性物質を含む薬剤(リンパ管に入りやすく、リンパ節に留まりやすいもの)を乳腺に注射し、放射線を検知できる器械を使ってその薬剤を取り込んだリンパ節(センチネルリンパ節になります)を同定する方法(RI法)と、手術中に、リンパ管に入りやすい色素を乳腺に注射して、一番最初に染まったリンパ節(これがセンチネルリンパ節です)を同定する方法(色素法)とがあります。当院では、より確実にセンチネルリンパ節を見つけるために、RI法と色素法とを併用しています。摘出したセンチネルリンパ節は、直ちに病理医が顕微鏡で癌細胞の有無を調べ、手術中の外科医にその結果が届けられます。外科医はその結果によって、腋窩リンパ節郭清が必要か否かを判断するわけです。したがって病理医が常勤していない病院では、センチネルリンパ節生検は行うことができません。
当科で扱う消化器がんや乳がんの治療の基本は手術ですが、必ずしも手術でがんを全部取りきれるとは限りません。また、全部取りきれたと思っても(これを治癒切除といいます)、再発する危険性があります。これは目では見えないがん細胞がまだ体の中に残っているからで、外科手術の限界ともいえます。このため、再発の可能性の極めて少ない早期(あるいは早期に近い)がん以外の進行がんでは、治癒切除例であっても、術後に抗がん剤治療や放射線治療を行います。乳房温存手術の後に放射線照射を行うのもこのためです。もちろん、がんが残ってしまった場合には、これらの治療は必須となります。このように手術、抗がん剤、放射線治療、ホルモン療法、あるいは免疫療法などを効果的に組み合わせたがん治療のことを集学的治療といいます。
抗がん剤はたくさんの種類がありますが、現在では、がんの部位別にガイドラインが作成されており(胃癌治療ガイドライン、大腸癌治療ガイドライン、乳癌診療ガイドラインなどです)、進行度に応じて、どのような抗がん剤を使えばよいかの指針が示されています。基本的にはこのガイドラインに従って治療を行いますが、当院には腫瘍内科医(菅原:日本臨床腫瘍学会指導医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医)が在籍しており、より質の高い抗がん剤治療を行っています。
放射線治療ですが、当院には放射線治療科があり、IMRT(強度変調放射線治療)などの最先端の治療装置が導入されています。放射線治療は、放射線治療科と連携をとりながら、症例に応じて、より効果的で副作用の少ない方法を選択しています。
こうした集学的治療ですが、術後に行う場合は、基本的に手術を担当した外科医が主治医となって、外科病棟の入院で施行しています。病院によっては抗がん剤投与は外科医の手を離れて、抗がん剤の専門家が行う場合もありますし、放射線照射設備が無くて、放射線治療を他院に依頼しているケースもあります。手術から術後の治療、さらにその後の経過観察を一貫して外科の主治医が担当させていただけるのは当院の特色であり、患者様と一層の信頼関係が築けるものと考えています。
医師紹介
外科 担当医師
氏名 タマキ ヒサオ 玉置 久雄 (名誉院長) PROFILE 病院医療マネジメントに邁進しています。 |
専門 消化器外科 出身大学 県立三重大学 卒年 S.47年 |
専門医など 日本医師会認定産業医 臨床研修指導医養成講習会修了者 |
氏名 サンダ タカユキ 三田 孝行 (名誉院長) PROFILE 何でもこなします。オールラウンダー |
専門
肝・胆・膵外科 乳腺外科 出身大学 三重大学 卒年 S.51年 |
専門医など 日本外科学会外科専門医・指導医 |
氏名 タバタ マサミ 田端 正己 (院長) PROFILE |
専門 肝胆膵外科、消化器外科 出身大学 三重大学 卒年 S.61年 |
専門医など 日本外科学会外科専門医・指導医 (その他) |
氏名 カトウ ケンジ 加藤 憲治 (副院長:消化器センター:副センター長) PROFILE 松阪生まれ、松阪育ちです。 |
専門 消化器外科、一般外科 出身大学三重大学 |
専門医など 日本外科学会外科専門医・指導医 (その他) |
氏名 イワタ マコト 岩田 真 (臨床副院長・乳腺センター センター長) PROFILE すべてに対応できるようにしております。 |
専門 消化器一般 出身大学 三重大学 卒年 S.62年 |
専門医など 日本外科学会外科専門医・指導医
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氏名 |
専門 出身大学 |
専門医など (その他) |
氏名 |
専門 出身大学 |
専門医など
(その他) |
氏名 |
専門 |
専門医など |
氏名 |
専門 |
専門医など |
氏名 |
専門 |
専門医など その他
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氏名 |
専門 |
専門医など その他 藤田医科大学医学部客員講師 |